Tai

クリード 炎の宿敵のTaiのレビュー・感想・評価

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)
4.2
前作の熱量が落ちるどころか最高潮へ。
これはまさに伝説の継承!

前作「クリード/チャンプを継ぐ男」では主人公アドニスが、かつての王者アポロ・クリードの血を引きながら、そのライバルであったロッキーをトレーナーとし、ボクサーとしての魂を継承しました。
そして今作では「ロッキー4」ではアポロと因縁深い相手であるイワン・ドラゴが息子をボクサーとして育て上げ帰ってくる!
シリーズを観ている人にとっては、あらすじだけでも熱い内容ですよね。
実際の展開も期待を裏切ることなかったです!

「ロッキー4」は私が生まれた年に公開された作品なので、ロッキーシリーズ自体は大分後になってから観ています。
それでも全作観てはいるので「クリード」はかなり感慨深く、また楽しめました。
というより、私はロッキーよりクリード派!
もちろん、ロッキーも好きなのですが、クリードの方が少し好きが上回っていますね^_^

この作品、何が楽しめるかというと主人公アドニス・クリードにあると思います。
ストーリーの大まかな流れはロッキーをまさにリブートした感じなのですが、ロッキーとアドニスの人柄が大きく違う。
酷く簡単に言うとロッキーは〝愛すべき馬鹿〟対してアドニスは〝放っておけない甘えん坊〟だと思うんです。
ロッキーは男に好かれる野郎さんですよね。
学は無いけど目標へ愚直に突き進む男。
リングの上でも華麗な勝利なんて無く〝打たれ強い〟という武器で泥臭くたち続ける。
多分、友達としてならアドニスよりロッキーの方が楽しいと思います。

対してアドニスは結構な現代っ子。
割と人にサポートして貰うのが当たり前なところがあり、あの体格の割には子どもっぽい面がチラホラ見えます。
しかし、その背景には平々凡々とは言えない辛い生い立ちを背負っています。
その辺は前作でよく語られていますが、今作でも同様に他者との情や絆に飢えているというコンプレックス的なものを感じてしまいますね。
だからこそ、他人を大切にしようとする反面、奥底では安心できていないから不安定になりやすいところも。
その辺は本人も自覚している面が見られるので、まだ単なるワガママにならず支えてくれる人達がいるのでしょう。
心の底にある影と向き合いながらも、努力しリングに立ち闘い続ける姿は、ロッキーとは違った応援したくなるキャラクターです。

〝過去の影〟については今作の相手であるドラゴ親子にも色濃くつきまとっています。
父ちゃんは自分がロッキーに負けたという結果を出したから仕方ないけど、息子のヴィクターが不遇すぎる!
父のリベンジを息子が果たすというのは、本人の人生を考えるとなんとも言えないですね。
正直、ラストはアドニスとヴィクター両者に負けてほしくないと思いながら観てしまいました(笑
それくらいに食い入るように入り込める作品の仕上がりになっていたと思います!

物語の決着にはもう色々〝おわった〟と心地良い虚脱感と満足感で劇場を後にしました(*´∀`*)
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