ロッキーを始めて観たのは、中学一年生の頃だった。
格闘技など微塵も興味は無かったが、何故だか身体の奥底から熱が込み上げて来たのを昨日の事のように覚えている。
不器用な男が捲土重来を期す物語。
余りにも普遍的で、感情移入しないではいられなかった。
ロッキーに自分を重ね、彼の生き様に己の人生に対する希望を見出した人間が世界中にどれだけいただろう。
シリーズの大河を綴った映画はたくさんある。スターウォーズ然り、ターミネーター然り。
しかし、本作こそ、作られるべくして作られたシリーズの新譜だ。
客席に座りながら拳を握り、まるで試合会場にいるかの様に高鳴るボルテージ。
とにかく、疲れた。
心地よく、疲れた。
ドラコよ、君はどこまでも偉大だ。
これぞスポーツマンシップであり、ヒューマニズムシップである。