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トゥルー・ロマンスのcomaのレビュー・感想・評価

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)
4.2
「バッドランズ」を観たら皆んながこれ「トゥルー・ロマンス」じゃん。って言うのを聞いて未見だった今作を紐解いた。
ほんとだ、これ「バッドランズ」への愛がたくさん。
最初と最後のナレーション、もちろんテーマ曲。

クライムロードムービーの代表「明日に向かって撃て」の悲惨なラストシーンを冷ややかな視点に転換させた「バッドランズ」から更にこんな展開だっていいよね、と明るい方向に導いた「真の恋愛冒険譚」。

すごくおもしろかった。
血飛沫飛びまくりなのに、目を背ける必要がなかったのはカメラワークの妙。
シームレスにアクションが続き、目が離せない。タランティーノの脚本がよくできている。

ショーン・ベイカーの「アノーラ」は今作に影響を受けているでしょうね。見た目はイケイケ(死語)だけどピュアな心を持ち、悪人に立ち向かっていく強さを持ったヒロイン像なんかは。

そして特筆すべきは脇役のゴージャスさ。
クリストファー・ウォーケンとデニス・ホッパーのたった五分程度の緊迫した会話なんか職人芸。
ゲイリー・オールドマンの狂気。

ブラッド・ピットはまだブレイク前なのか、引きこもりの青年役とは。この方、ピシッとしたスーツ姿より、てれっとした小汚い部屋着が似合うしエレガンスなんだよなあ。
最近亡くなったヴァル・キルマーどこにいた?クレジットを見たら、メンター役か!

いかなる困難に遭遇しても内なるメンター、あるいはイマジナリーフレンドを持っていたら乗り越えられる。
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