サムカワ

ギャングースのサムカワのレビュー・感想・評価

ギャングース(2018年製作の映画)
5.0
「このタタキ!やらせていただきます‼︎‼︎」

東京国際映画祭にてワールドプレミア

ぶっ飛ばされました……。


観る前と後で世界が違って見える映画ってありますよね。
本作のその一つです。


この映画に出てくるような少年たちが、すぐそばにいるんだ…と、周囲への視点が変わりました。


今僕らが生きてるこの世の中で、僕らが知ってる世界ってほんの一部の一部に過ぎなかったんだな……



映画として観てた彼らのストーリーは、僕が何の気なしに素通りした町の中華料理屋さんの中でも起きてることだし、テレビで流れるニュースの背景に彼らがいる。

わかったようなことをネットで言ったりもしてます。
「頑張るんだよ」とかなんとか。


本当にこの映画の担ってるものって計り知れない大きさ、重さなんだろうなと、どこから来るのかわからない涙でボロボロ泣いてしまいました。



じゃあそんな重っくるしい映画なのか?というと、全くそうではなくて、エンターテイメント作品としてバリクソ楽しいんですよ!


日本でやるのは難しいんだろうな〜と思ってたカースタントもバンバンやりますし、アクションシーン、バイオレンスシーン満載!
チームもの、ケイパーものとしての楽しさもめちゃくちゃあるんです!



入江監督の前作「ビジランテ」から続投の般若さん、篠田麻里子さんも最高でした。
「ビジランテ」であんなに怖かった般若さんが殴られてる……ッ!
ってことは…金子ノブアキさん演じる加藤って…めっちゃ怖いじゃん!!

え!?まださらに上がいるの!!???

MIYAVIさん、めっちゃ怖えええ!!!!


入江監督作品の悪役は毎度毎度死ぬほど怖いです。
心底震え上がります。


そして"疑似家族"ではなく、本当に"家族"な主人公たちの幸せそうな姿を見てるだけで、なんでこんなに泣けようか…。
人がニコニコ飯食ってるってだけで、なんでこんなに胸が締め付けられようか…。
今これを書きながらもウルウルきてます。


映画全体とってもスピーディでテンポが良いし、タタキが成功する爽快さ、主人公たちが痛い目に遭うヤダ味、何度でも立ち上がる彼らの勇姿。
すべてに心動かされました。



エンディングで流れる、本作を受けて渡辺大知さんが作ったという主題歌「CRYBABY」も本当に最高でした。

映画観る前から公開されたMVで聴きまくってましたが、映画観たあとだと歌詞の響き方が全然違います。



原作漫画は最近読み始めました。
こんなことが現実にあるんだ……と取材による膨大な情報が詰め込まれた原作にも圧倒されました。
映画は、その魅力を最大限 引き出しながら、誰がどう観ても"入江悠監督作品"になっているな…と思いました。


ジョーカーゲーム的なスパイ感、ケイパーもの感、SR的なトリオ感、太陽やビジランテ的な「ここから抜け出せねぇ!」感
あ!なんか「22年目の告白」っぽい!って思ったりもするし、主人公たちの楽しそうな姿に涙ってのは「日々ロック」っぽかったし。

そんなこんなで、間違いなく、本作は入江悠監督作品の集大成になっているんです!!


"搾取"で手に入れた力には、"情"と"信頼"で立ち向かうんです。
ガムシャラに。
ただひたすらにガムシャラに。



【2018/11/27】
TOHOシネマズららぽーと富士見にて
2回目

平日夜の回だからってのもあるかもしれないが、客が僕含めて3人ってのはどうなんだ!みんな観てよ!

あのラストシーンで嗚咽が出るほど泣いてしまいました。


【2019/01/09】
アップリンク渋谷にて
3回目

3回目ともなると、かなり冷静に細部まで観られました。
でもやっぱりラストは泣いてしまいます。
サムカワ

サムカワ