アリスinムビチケ図鑑

ギャングースのアリスinムビチケ図鑑のレビュー・感想・評価

ギャングース(2018年製作の映画)
3.5
TOHOシネマズで鑑賞。

サイケ(高杉真宙)、カズキ(加藤諒)、タケオ(渡辺大知)の3人は少年院で同じ時を過ごし、
犯罪歴からまともな職にも就けず、労働職に就いても賃金を搾取されバカにされ、
"なんとしても稼いで這い上がってやる!"と選んだ職種が裏稼業の事務所を狙う"たたき屋"。

ひょんな事から"やられ名簿"(詐欺られた人の情報が載った貴重な名簿)を手に入れ、
それがキッカケで巨悪な裏組織に立ち向かう事に…。


貧困や虐待が犯罪を生み、
犯罪歴の有無で社会に受け入れられず更なる犯罪に走る(走らざるを得ない)、
そんな哀しい現在の仕組みが浮き彫りになっています。

高齢者を狙った詐欺の実態も、
その心理の裏側も描かれていて、
色々と社会的に問題を感じさせられてしまいます。

犯罪は100%悪ですが、
確かに日本のお金の締める割合は、
高齢者の貯蓄率がかなり占めていると言うのはどんなものかとは思いますね。

老後に掛かる資金や、家族に残したいと思うからなのは分かります。

でも、確かに流通していないお金の割合が多く、皺寄せが若い世代に来る社会の仕組みにも問題がある様な気がしてしまいます。
上手く流通させ、若い世代への負担の軽減を図るとか、
労働者への不正な賃金搾取は厳しく取り締まるとかも必要かも知れないですね。

それにしても、裏名簿の売買がある事は知っていても、
映画で観るとその恐ろしさを実感してしまいます^^;

祖母によく注意しなければ💦
と思ってしまいました。


そんな社会派な(裏社会)テーマにしつつも、
3人の固く結ばれた友情が泥臭くも美しく描かれていて、
観ていて何故が爽快感すら感じさせます。

高杉真宙、加藤諒、渡辺大知の3人の演技、それに加えて元締めの高田役の林遣都の演技が光る作品でした。