ShinMakita

ソルジャー・ボーイのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ソルジャー・ボーイ(1972年製作の映画)
2.7
☆mixi過去レビュー転載計画(ノンジャンル編)
…ここ10年で購入したDVD.Blu-rayのレビューです。



〈story〉
アーカンソー州、リゲット基地。ベトナムの戦場から帰ってきた4人組・・・ダニー、キッド、シューター、ファットバック。彼らは晴れて除隊となり、クルマを買って一路カリフォルニアを目指す。キッドが持つ農場に向かい、皆でカネを出し合って農業を始めようというのだ。途中、娼婦を拾った彼らだが、車内で金銭的トラブルになり、ダニーが時速100キロで走行中に外へ放り出してしまった。恐らく娼婦は死亡しただろう・・・だが彼らは、特に悩みもせず旅を続けて行く。地獄を見てきた4人にとって、死は日常の些細な1コマにすぎないのだ。やがて彼らは、ダニーの故郷である小さな町フォーリーにたどり着く。久々の我が家で、家族との再会を喜ぶダニーだが、ぼんやりとした将来設計を父にダメ出しされ苛ついてしまう。父のようなサラリーマンになって出世を目標にするなんて、オレたちに出来るはずもない。そこでダニーたちは、とっととフォーリーを後にする。次にたどり着いたのは、クルマのエンジン故障のため立ち寄った小さな町。整備工場に足元を見られ高額請求されたり、ベトナム嫌いの保安官に嫌がらせをされたりと、散々なメに遭ってしまう。何とか気持ちを抑えて町を出た4人だが、しばらくして、キッドがクルマに仕舞っていた貯金を盗まれていたことに気付く。また町に戻って、カネを取り返そうか・・・しかし、ここでも彼らは自制し、泣き寝入りすることにして西海岸へとクルマを走らせていくのだった。

そして、次にガス欠のため停まったのはニューメキシコの小さな町ホープ。早朝のため、スタンドは閉まっている。夜が明けるのを待ってスタンドの戸を叩くも、店員は出てこない。とことんついて無い自分たちの境遇に腹を立てたダニーは、スタンドの給油機を壊して、自力でガソリンを入れようと試みる。そこに、警官が通りかかりダニーを諌めるが、頭に血が昇っているダニーは言う事を聴こうとしない。と、通りの向こうに住んでいた住人が、ダニーたちをスタンド強盗と早合点して、いきなりライフルを発砲してしまった。その銃声を合図に、ダニーら4人は機械的にクルマのトランクに手を伸ばす。彼らは除隊時、大量の銃や手榴弾を持ち帰っていたのだ。反射的に部隊の戦闘フォーメーションをとり、動く標的全てに銃弾を浴びせまくる4人。気がつくと、ホープ内の住人全員を皆殺しにしてしまっていた・・・



➖➖➖
ジョー・ドン・ベイカー(ダニー役)に尽きる1本でしたねー。「ランボー」の原型とも言えるベトナム後遺症ものですが、歪んだ青春映画とも言えるかも知れません。彼らはベトナムの地獄で、貴重な青春をドブに捨て倫理観を失ってきました。そんな浦島状態の人間が、爆発するのは自明の理だったかも知れません。今の日本で言えば、非正規雇用で虐げられる貧しい若者に置き換えられるでしょうか。別次元・別時代のハナシとはとても思えませんでした。
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