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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のShinMakitaのレビュー・感想・評価

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☆俺基準スコア:2.1
☆Filmarks基準スコア:3.3




1858年、ボローニャ…
ユダヤ教一家のモルターラ家で兄弟たちと仲良く暮らす6歳の少年エドガルド。ある夜、教皇領・異端審問官フェレッティ神父の命を受けた官憲たちが家にやってきて、エドガルドを保護するからと連れていってしまう。6年前、生後すぐのエドガルドが何者かにカトリック洗礼を施されたから、というのが理由だった。当時の教皇領の法律では、異教徒はカトリック信者の養育が出来ないことになっていたのだ。戸惑いながら、両親はエドガルドを取り戻す方法を模索するのだが…



「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」


以下、ネタバレを朝も夜も唱えてる。

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イタリアの名匠マルコ・ベロッキオ監督作品。不勉強ながら俺は「シチリアーノ」しか観ていないんだよな…マフィア映画が好きじゃなかったら、それすらスルーしていた可能性も。

というわけで監督の特徴云々を言える身ではないし、現代イタリア映画そのものにあまり馴染みが無いので、いつも以上に表層的(akaテキトー)な感想です。

……まず、この当時のイタリアに関する知識がないと、いかにカトリックが強い力を持っていたかが理解できないですよね。この事件当時は、その力は落ち気味とはいえローマとボローニャは教皇庁支配が強い場所。誘拐を国内外から非難されても無視できる余裕があったんですな。
そういや最近の映画におけるカトリックって、すっかり「悪役」が定着した感が強いですよね。信仰の名のもとに悪魔を生み出し(オーメンザファースト)、布教活動の一環で殺人を犯し(No.10)、神の法に従って他所んちの子を誘拐するって(本作ね)。悪の秘密結社みたいじゃないか。バチカンは文句言わないのかな。

子に対する執着の強さが父・母で差があるのもちょっと切なくなったなぁ。あの面会シーン、俺がパパでもスゴスゴと引き下がりそう。やはりママみたいにガンガン行かないとね。ただあのママの芯の強さが今際の際でエドガルドを拒絶することに繋がって悲しくなるんだけどね。エドガルド自身もアンビバレント過ぎて見ていて困惑しちゃうんだよなぁ。エドガルドの心を蝕んだってのが、カトリックの1番の罪という気がしたよ。


史実を基にしたドラマだけど、現代の価値観でキャラクターや事象を読み解くのはかなり難しい作品。イタリアとカトリックの歴史に詳しい人間に感想を聞いてみたいところです。
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