イチロヲ

ラブゲームは終わらないのイチロヲのレビュー・感想・評価

ラブゲームは終わらない(1988年製作の映画)
3.5
移動式のバーカウンターに従事している少女(竹田ゆかり)が、常連客たちと力を合わせて、ヤクザの地上げ行為に抗っていく。人生を模索している男女たちの粉骨砕身を描いている、日活ロマンポルノ。「ベッド・パートナー」(後藤大輔監督)との併映により、ロマンポルノ最終作に位置付けられる。

本作の主人公は、日常生活に新しい刺激を求めている、自立した女性として登場。作風はコミカル路線に一貫しており、登場人物の言動がことごとく漫画的。ヤクザにもギャグ要員としてのキャラクター付けが成されている。

前半は、移動式バーに集結する男女の悲喜交交を引いた目線から眺めていく展開。そして後半からは、バーの復旧に勤しむ仲間たちの一蓮托生が力強く展開される。最終作ということもあり、初期の常連俳優がカメオ出演するところが面白い。

女優がチヤホヤされる反面、男優(影山英俊)が邪険に扱われるという、撮影現場のメタ演出が抱腹絶倒。ロマンポルノ最多出演者である高橋明の、最後の勇姿を拝むこともできる。
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