良い!
佐々木小次郎がおじさんなのはむしろ好感。
もちろん吉川英治の描いた小次郎も好きだけど、史実ではない。
なるほど、リアルに描きたかったというのが主軸にあったんだ。
とはいえ、武蔵に関する情報ってかなり少ないこともあり、吉川英治の原作を元に、史実と言われているものを載せて整合性を取らせた新解釈。
この映画における武蔵の人物像
武人としての強さは第一に言われることだけど、同時に水墨画など画人として優れていたことも証明していることから勝つことだけに固執したのではなく、その先に人生のなんたるかを見出そうとしていたのではということは、小説を抜きにしても想像してしまう。
父無二斎の影響が大きく、剣に生きるしかなかった武蔵。
姉に、人を殺めることで涅槃に通ずるのはおかしいと言われればその通りで、他者に勝つという信念と人を殺めたくないという究極の葛藤があったのかもしれない。
迷いなく突き進む武蔵もエンタメとしてはかっこいいけど、葛藤と戦い続ける武蔵もリアリティがあって良いと思います。