みあせぶ

バイスのみあせぶのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
4.5
心臓

受験生だけどアカデミー賞作品はなるべく劇場で観たいという精神のもと、1週遅れでバイス鑑賞!(もう鑑賞日から1週間経ってしまいましたが…)

政治ものは体感時間が長くてあまり好んで観ることも少ないのですが、今作はもうどストライクで私の好みでした!!!

アダム・マッケイ監督作は初(脚本を担当したアントマンは鑑賞済み)でした。でも、この監督、独特の雰囲気・世界観をお持ちですね!!!!すごく好き!!
今作はストーリー自体は割と普通でした。想像がつくというか。
でも、この映画の演出や撮影は異常なほどこだわりを持って作られていて、すごく感動しました。

特に、大まかなストーリー軸の隙間に差し込まれる「寓話」みたいなストーリーの数々。とくに「魚釣り」
非常に分かりやすかったですね。今、チェイシーか何を思っているのか。餌をつけてひたすら待つ。そして釣り糸を手繰り寄せる。

そしてなんと言ってもクリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、サム・ロックウェル、スティーヴ・カレルの4人のメイクと演技力!!
もう誰が誰だかわからない。とくにクリスチャン・ベールね。
メガネ取ってやっと面影出てくるけど、メガネかけて社長椅子にズシンと座っている姿はもはや御本人。

そしてこの映画の核心部に潜むのが「心臓」
心臓は人間の「機動力、コア」であるということを念頭に置いて観ると、色々と思うことがありますね。
他人を蝕んで自らの一部と化していく…
「心臓」の件と、チェイシーの政治には共通点がありますね。

ナレーターのまさかの事実にもびっくりでした。この演出すごいな。

最近はどうも実話の政治映画がブームなのでしょうか?同じ話を題材にした映画「記者たち」も公開されていますね。

これは個人の感想にすぎませんが、トランプ大統領になってからそういう映画が増えてる気がします。「アメリカファースト」という言葉がバイスにも出てきましたが、私は皮肉でこの言葉を劇中で使ってるのかな…?と感じました。大国の大統領ともなると、国内だけでなく世界中にも影響を及ぼしてくるので、しっかり責任もって職務を全うして頂きたいですね。そんな思いが強くなったからこそ、こういう政治映画が増えてきているのかもしれません。
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