バイスの深谷守のレビュー・感想・評価

アメリカがすごいのは、まだ存命中の人物を取り上げて、極めてシニカルな政治風刺映画を作ってしまうこと。日本だったら訴訟を恐れて絶対に手を出さないだろう。
911の時に副大統領だったディック・チェイニーが主人公。ホワイトハウスの政治力学の中で、さして優れてもいない人物がどうのし上がっていったのかをものすごく斜めから見せてくれる。
日本の政治もひどいが、アメリカの政治も更にひどい。そんなことに改めて気付かせてくれる佳作。
フッテージの使い方といい、さすがの職人技だ。