傷痕アイランド

こはくの傷痕アイランドのネタバレレビュー・内容・結末

こはく(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

父の残した工場をようやく立て直した主人公
父は主人公が幼い頃家を出て音信不通
兄が父を見かけたことをきっかけに一緒に父探しを始める

観ている最中は「カス親なんかに会いたい?!放っとけば?」というクズの感想しか抱けなかったけれど観終わったら変わった
父のカス情報は後から知っただけで主人公自身はほぼ思い出がない
だから切り捨てられないんだろうな
主人公はかつての父とほぼ同じ境遇(離婚して子ども2人と会っていない)になった
そこから先へ進むため(新しい家族を作るため)に父に会ってどういう気持ちだったか今どうなっているのか確認したかったんだろう
あまり覚えていないから思い出の中の父の顔は今の自分の顔になっている
それが現実の父の顔に更新される
父に会って今までのわだかまりから解き放たれ一歩進めた表現としてきれいだなと思った
面白かった!

それはそれとして全員ぶん殴りたい
母の葬儀に参列してきた父の駆け落ち相手!厚顔無恥にも程があるだろ!(だから不倫駆け落ちなんかが出来るのだけれど)
主人公!父にやられてつらかったことをどうして妻子にできちゃうの?!
でもわかっていても思い通りには行かない
そういうままならなさを掬い取っているのが面白いところ
人間が全員理想通りに品行方正に生きられたらそもそも映画なんか要らない