エアール

ブラッディ・リベンジのエアールのレビュー・感想・評価

ブラッディ・リベンジ(2017年製作の映画)
3.5
芸術の意義は?
そんな大層なことは知らんが
透き通った水もいつかは濁る、
美しく咲く花びらだっていつかは散る、
己の闇と向き合い、リスクを犯せ…
そしたらこうなったのか 笑


美術学を専攻する大学院生が
復讐をきっかけに血の味を、殺しを覚えちゃう。
フランチェスカ・イーストウッドの色気と垣間見える狂気がなんとも魅力的。
ピンクのカツラにあのタンクトップ姿は反則もんです 笑


バルボア大で美術学を専攻する院生 ノエル。
修了制作の展示会を見据えて
方向性を探りがらデッサンを描き続けるが
教授や同級生の前でそれらを披露すると
技術はあるものの絵から伝わってくるものがなにもない、と言われてしまう。
リスクを冒せ、変身が必要だ…
ほんじゃやってやろうじゃないの 笑

気落ちする彼女に
同じく美術学を専攻するイケメンくん ルークから
優しい言葉とパーティーのお誘い。
学校やらなんやらで男性経験があまり多くないノエルは
親友 スカイより男を落とすテクニックを伝授されいざパーティー会場へ
ーー豆とニンジン、だそうです、
会場入りしルークと合流、芸術に対する考えや将来について語らう、
彼に誘われ部屋へと移動したノエル、
部屋で2人きり、いい雰囲気だったのもつかの間、
ノエルはルークに力づく手荒に扱われレイプされてしまう。

後日 ルークの家にて
ルークに謝罪を求めるノエルだが
どうやら謝る気はさらさらないらしい。
階段でもみ合いとなり
彼を突き落としてしまうノエル。
階下では頭から血を流しピクリとも動かないルークの姿
ーールークはそのまま転落死。
この一件をきっかけに
ノエルの中でなにかが弾けた…


最初に衝撃から、
それによる困惑、
次第に冷静になり、
そして快感に…

自分と同じレイプの被害を受けていて
学校やカウンセラーなどしかるべき人に相談するも
それが広まり校内では尻軽女と罵られ
被害者である自分がまるで被告のような扱いに…
そんな報われない状況下にいる人たちの力になりたい。
一方で、何事もなかったかのように平然として生きているレイプ犯たち。
警察も学校も守ってくれないのなら
被害者たちに変わって私が彼らに償わせる、と。ってなわけで
彼女たちに性的暴行をはたらいた奴らを
次々と手にかけていくノエル
ーー社交クラブ会員、アメフト選手、バスケ部員、他グズども…

また創作活動の方でも
テーマを残虐性に定めて
描いたデッサンがみなに絶賛されるノエル
ーーどうやらやり始めた”世直し”が
創作活動の方にも良い影響を及ぼしているよう
ーー闇、哀しさ、官能美、危うさ、
これまで彼女にはなかった”なにか”が
これらを引き出し作品に反映させている。

ひとり またひとりと
過去にレイプ事件に関係した人物が死んでいく、
捜査を開始する警察、次第にノエルへと迫っていくケネディ刑事、
癒えない傷と自殺願望、
買収されてるカウンセラー、
親友の隠し事、
そしてむかえる卒業式…


過去のある時点を振り返って
今の自分とは違うと思う。
そしてふと思うのだ
ーーあの頃に戻れたら…と。
きっと違う選択を取って
そうすれば少なくとも今の状況よりは幾分マシになるかもしれない。
誰にも相談できずに苦しんでる人が
案外たくさんいるのかも分かりませんね。

ノエルと同じく被害を受けた女生徒 リンジーにはジェス・ナース、
それから出演シーンこそ限られるものの出版クラブ会員のジェナことメラニー・ブリットン。
彼女たちの”美”にも要チェックで 笑
エアール

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