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グッバイガールのakrutmのレビュー・感想・評価

グッバイガール(1977年製作の映画)
3.0
妻子持ちの恋人に突然去られた上に、娘と暮らしているアパートを勝手に売られてしまった30過ぎのダンサーのポーラと、そのアパートを譲り受けた売れない役者のエリオットの恋愛模様を描いたラブコメ映画。人気脚本家のニール・サイモンが本作のために脚本を書き下ろしたということもあって、ファンがけっこう多い作品だそうである。

そういう事前知識を持って本作に臨んだが、自分には本作の良さがあまり理解できなかった。コメディなので深刻にし過ぎるのはおかしいとは思うけれど、ポーラが置き手紙一枚で恋人に捨てられてしまう出だしのシーンから、あまりにも軽すぎる深刻さ0の雰囲気に違和感を感じたのがまずダメだった。そして、真夜中にエリオットが訪れてきて同居が始まる部分も、コメディであることがわかっていても、そんなこといくらなんでもあり得ないだろうという思いがどうしても頭から離れずに、結局、最後まで映画の世界に入り込めなかった。後半になってお互いに惹かれ合うのだが、それまでの二人の関係からすると、それもあまりにも唐突。アパートの屋上でのシーンなど、後半のシーンだけを切り出して見れば、オシャレで素敵だっただけに、とても残念な気がした。

でも、ひとつだけとても印象に残ったのは、ポーラの娘であるルーシーの、こましゃくれているけど愛らしい姿。これはすごく良かった。このルーシー役で一躍有名になったクィン・カミングスではあるが、その後、映画にはほとんど出演しておらず(TVドラマには出演している)、世間の目に晒されて暮らすのは自分には合わないと感じて、90年代に女優業を引退している。名子役が名女優になるとは限らないが、いかにも残念である。
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