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グスコーブドリの伝記のtheocatsのレビュー・感想・評価

グスコーブドリの伝記(2012年製作の映画)
1.4
なぜキャラが猫なのか必然性が理解できないが、それはひとまず置いといて宮沢賢治原作をアニメ化し、読んだことがない原作の世界観を垣間見ることができた点には素直に感謝。

・・なんだけど、アニメ映画としての出来はそれほどよいようには思えず仕舞い。
児童が一番の対象ということなのか知的に刺激してくれるわけではなく、また活劇的要素がありながらどうにも平板的で紙芝居風。
正直思考停止状態に陥落し眠くて眠くて仕方なかった。

終盤、火山誘発の自己犠牲辺りから目が冴えてきたけれど、「ちょっと待て・・・火山で気候が暖かくなるのはあり得ず、噴煙で太陽光が遮られ寒冷化するんじゃないのか?」と重大過ぎる疑問が湧きあがる。
ところが、それらは原作通りということなのか、表現もあいまい有耶無耶なまま昔話風のハッピーエンドで締めくくられてしまい、こっちもあまり心血を注いで作られたとは感じられないこの映画にエネルギーを逆に吸われてしまったような気分。
あまり比べてはいけないのかもしれないが、何らかのポジティブさが得られるジブリアニメとは違っていたようです。

しかし銀河鉄道の夜も本作もどうして猫だったんだろう?
猫の肉球ハンドで斧を握れるわけないし、トマトを掴む時には爪を立てるしかないだろう。それに猫がなぜ野菜を食べる?・・・
人間設定では逆にまずい理由があったのだろうが、人間キャラで見たかったなぁ…
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