このレビューはネタバレを含みます
ただ流して見てただけだったけど、ラストにかけての畳み掛けが衝撃だった。
主人公の寧子(趣里)が小さくて細くて、脆くてすぐ壊れそうで、自分の中でいろんなことと葛藤してる感じが演技を通して、すごく伝わってきて苦しくなった。
寧子は頭で思ったことをすぐ自分なりに言葉にして、伝えようとするけど、津奈木(菅田将暉)しかそれはできなくて、津奈木にたくさん全力で当たるのに津奈木は『うん』『ごめん』しかいってくれなくて、そんな2人を見ているのも心が苦しくなった。
あんたの選んでる言葉ってさ、
結局、あんたの気持ちじゃなくて
わたしを納得させるための言葉でしょ
ってセリフが1番響いた。
自分と同じくらい溺れてほしくて
自分と同じくらい愛してほしくて
自分と同じくらいわけわかんなくなってほしいって思ってる自分がいることにも嫌気がさして
自分自身に疲れてる寧子を見てて
気持ちが痛いくらい理解できた。
頭で思ってることをすぐ口にして相手に伝えることによって、メンヘラって思われるかもしれないけど寧子にとっての津奈木への愛はこれほど大きくて大切だったんだろうなって思った。
それが主人公にとっての愛。
重いし、苦しいし、切ない。
些細なことで自分の中の何かが溢れて
イライラして、考えだけが頭の中でグルグル回って、どうしようもなくて。
寧子のように全力で走って、叫んで、服脱いで
人間らしくいたいとすごく思わされた。
人生一度だし、多くの人と出会う中で自分を押し殺してまでも一緒にいる必要がない人だっているわけであって、心を開いて話せる人に対してどう接していくべきなのか考えてしまった。
愛とはなにか。永遠のテーマ。むずかしい。
一人一人愛の形は違くて、人間一人ひとりの感情もちがう。人間って難しい。言葉って難しい。
ちゃんと見直さないと。
だから2.8。
全て解き放った時の寧子の全裸姿、卑猥なものとしてじゃなくて儚くて美しかった。
エモいっていう言葉が1番合ってた。