Kento

生きてるだけで、愛。のKentoのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
5.0

邦画の中でもベスト3位には入りそうな作品

おそらくこの作品は幸せな人や
恵まれている人、成功している人よりも

いわゆる"ダメ"な人間だったり
社会的に弱い(とされる)人達に刺さる作品
だと思います

そういった意味で、自分にはめちゃくちゃ
刺さりました

主人公の寧子は躁鬱による過眠症を抱え
津奈木の家で日々ダラダラしている

自堕落な生活や彼女の愚痴吐きな性格もあって
姉からはダメ人間扱いをされている

という一見するとなんとも強烈なプロフィール
ですが、本人もそれで良いとは思っていません

作中では
朝早く起きる事や晩御飯の支度すら"まともに"
出来ない事に
血反吐を吐くほど苦しみ、それでもなお
直す事が出来ない様子が描かれています

とはいえ、他人はその"普通ではない"様子を
許容してはくれません

毎日毎日、自分や他人に絶望しながら
生きてゆく寧子

彼女の性格が悪く(?)なっていったのも
そんな所にあるのではないかと感じました

あるきっかけで、他者と関わる事になる寧子
そこでも問題は存在しており…

一般的に見れば寧子は只のめんどくさい女
ですが、自分にはとてもそうは見えません
でした

本作において
寧子は、決して美人という形では描かれて
いませんでしたが

ラストで自らの想いを告げたシーンでは
とても美しく見えました

演じた趣里さんは本当に凄いです
完全に役に入り込んでいました

菅田 将暉さんの演技は、安定感がありました

本当に良かったです
Kento

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