ぶちょおファンク

殺人者の記憶法:新しい記憶のぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★4 中盤★4 終盤★3.5

前作『殺人者の記憶法』(スコア★4)
を少し補完する形で物語は進み、
ほとんど同じ流れですが
時折観ていない描写があったりし、
前日にチェックしていますが
それでも飽きることもなく
よくできた作品で面白かったです!

ただ、終盤は前作とはまったく印象が異なり…。

っというのも、キム・ビョンスは青年の頃に家族を、
自分を守るために暴力を振るう父を殺してしまう。
そして遺体を土に埋め、日々警察に捕まるのを恐れていたが、
彼の殺人が白日の下にさらされることも、
もちろん逮捕されることもなかった。

そのことにより彼は
“殺しても良い人間はいる”
っと正当化して次々と殺人を犯す、
嫌悪していた父と同じような野獣のような目つきで…。

そんな彼が殺人をやめたのは17年前、
人を殺すより“子育て”のほうが苦労もするし大変だ…
って理由だった。

愛娘も成人した頃、彼は認知症を患う。
アタマの記憶は忘れて行くけど、
カラダが覚えている殺人鬼としての記憶が
娘を殺しかねないと危惧し、
それだけは避けたい、
再度現れた連続殺人犯から娘を守りたい…!

認知症の彼はパソコンのパスワードも時折忘れる。
そこで少なくとも彼にとって人生最良の忘れられない出来事
“娘の誕生日”をパスワードにしてたり、
明確なセリフやDNA鑑定の証拠がある訳ではないけど、
妻による“娘はあなたの子ではない”、
つまりは血の繋がらない父娘なのに…。

前作はこの“親子愛”の要素が琴線に触れるし、
考えさせられる要素だった。

しかし今作ではその沁みる部分は否定され、
サスペンス、ミステリとしては
面白くはなってるし衝撃はありますが、
これが真実なのだとしたら
少し評価は下がります。

とはいえ同じ素材を
これだけまったく違う印象と後味に仕上げた
作り手の手腕はアッパレです!!!!!

2019年326本目