あさのひかり

おじいちゃんのラジオのあさのひかりのレビュー・感想・評価

おじいちゃんのラジオ(2015年製作の映画)
4.0
ネトフリ配信終了予定の中からだけど、観逃さなくて良かった。淡々としてて美しくて、でも愛にあふれてて大好きなのだった。私の中ではROMAと同じ系統。最近こういうの観てなかったかも。

おじいちゃんが生活してる姿が、狭いベッドで奥さんと川の字に寝てるところとか、近所の子どもと友だちになって遊んでるところとか、仲良しのおじさんとお茶するところとか、ちょっとした絵が美しい。そして、おじいちゃん自身の表情も優しくも豊かで素敵。

お話は淡々としてる上に説明不足な部分もあって、少し分かりにくい感じもあるとは思う。おじいちゃんは息子夫婦があまりに自分勝手だし、職場の友達も、すごく優しくていい人なのに、家に行ってみると意外なことがわかったりして。年を重ねていく中で感じる生きにくさ、やるせなさ、みたいなのが、優しいこの映画からにじみ出ていて、優しいだけじゃなくてそういうのがじわじわ沁みる。

このおじいちゃん、そういう生きにくさの中で穏やかに生きてるんだから、お医者さんがどう言おうと、このままでいいと思うんだ。
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