このレビューはネタバレを含みます
TVアニメの直接の続きだから、単純な映画として評価することは難しい。でも、彼らの青春をきちっと描き切って、大団円で締めてくれたので、満足した。
キャラクターで対立したり、安芸くんの人の良さが暴走するのに振り回される加藤さん、といった2期の雰囲気を引き継いでいて、ただただ明るいラブコメディ、というよりは、生みの苦しみみたいなものに焦点が当たっていた点も良かった。ただし、コメディ色が全くなかった訳ではなく、くすりと笑えるシーンも随所に挿入されていて、気配りに余念がない。
キャラクターとしては一期の加藤さんの方が包容力があって、どちらかといえばそっちの方が安心できて好みだけど、そうした魅力と引き換えに、彼女は嫉妬したり我儘を言ったりする、厚みのあるメインヒロインへ成長したように思う。
完成したゲームに対しては、もう少し描写が欲しかった部分ではあるものの、茶番を含め、エピローグのような形で、彼らの関係性の帰結を示してくれたので、文句は言うまい。
安芸くんと加藤さんの関係の進展を軸に、ゲーム制作を巡る物語を描き切ったのみならず、サブヒロインにもちゃんと見せ場を設けた上で締め括ってくれた点は素晴らしかった。