ゆみモン

愛しのアイリーンのゆみモンのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
2.8
「最高の胸糞悪さ」という評判を聞いていたので覚悟して観たが、実際は悲しく切ない作品だった。
確かに性的描写は気持ち悪い場面もあったが、それぞれの登場人物は(共感できないが)皆必死に生きている話だ。

安田顕演じる岩男。パチンコ店の店員として真面目に勤めているが、不器用で特に取り柄もなく、女性にも縁がない42歳。ついに、コツコツ貯めたお金でフィリピン人の花嫁を迎える。
岩男の嫁になったフィリピン人のアイリーン。親や大勢の兄弟姉妹を養うために、お金をもらって日本人と結婚する…それは決して珍しいことではない。
岩男の母。流産したり早逝したりして、やっと授かって大人まで成長したのが岩男だった。だから、岩男への愛情が尋常ではない。
みんな幸せになりたいのに、何故こうなってしまったのか…。
言葉も風習も異なる中で、岩男とアイリーンの心がほんの少し通い合ったのでは?と思えた矢先の不幸な出来事。
森の木々に岩男が彫った「アイリーン」の文字が悲しかった。
そして、最後にアイリーンが姑に示した愛情が切なかった。
一番大変な思いをしたのはアイリーンだ。

安田顕と木野花の熱演・怪演が凄すぎる。