このレビューはネタバレを含みます
私の中で殿堂入りしている豊川さんと綾野さんの共演をとても楽しみにしており、この4.0というスコアも殆どこの2人の絡みをもう一度見たいという点でつけました。笑(基本もう一度観たいと思える作品にのみ4.0以上をつけてます)
綾野さんが以前出演した石井監督の「シャニダールの花」は、宣伝時に綾野さんが「この作品は理解しようとしたら敗北です」と仰っていたので特に何も考えず観た結果、感覚的には好きな作品となりました。
今回も「宣伝不可能」「脳内破壊映画」とよく仰っていたので同じ感覚で観ようと思ったのですが、永瀬さんの語りの言葉数があまりに多いので結局ちゃんと聞かなきゃついていけなくなる…と若干脳内は忙しなくなりました。そういえばクドカン脚本でしたね。破壊される程ではないけどそこまで内容に期待していなかった分楽しめました。
浅野さんや永瀬さんのビジュアルのインパクトが強く、腹ふり党に洗脳される染ちゃんも強烈ではあるけど、冷静に考えると掛と内藤が一番アホで。そんな2人を大好きな2人が演じられていたのは幸せでした。(内藤から掛に対するウィンクは最高です)でもこの2人が中心に起こしたことなのに、巻き込まれた腹ふり党の人達が殺されてしまうのは少しモヤモヤする。
永瀬さん演じる猿の大臼は、猿は人間の言葉が大体わかると話しており、だから語りも永瀬さんなんだと納得。説明の多い作品はどちらかと言うと好きではないけど永瀬さんの声が素敵だったので良かった。ただ大臼が誰なのかは事前に明かさない方が面白かったかも。分かってると顔の動かし方がもろ永瀬さんに見える。結構あっさり猿は去って行ったのも少し物足りなかった。
確かに宣伝は難しいめちゃくちゃな作品かもしれないけどそれを前提に気楽に楽しむつもりで観ると良い作品だと思います。私はこれの原作(冒頭で掛に斬られるのが原作者の町田康さんということをエンドロールで知った時は驚きました)ってどんなんよ？！と気になって仕方がなかったので読んでみたいと思ってます…！
