無知A

そらのレストランの無知Aのレビュー・感想・評価

そらのレストラン(2019年製作の映画)
3.3
北海道が舞台の作品で大泉洋が主演の映画となると、やはり独特の何かがある。彼自体がロケーションの代名詞とも言える具合に、演技に加え、存在感が作品の雰囲気を形作っているようにも思う。また、本作の景色は、どれも美しく、見ているだけでも癒されるのだが、物語内の喜怒哀楽、全てに寄り添っていた。やはり北海道は美しい場所なのだと思う。

様々なテーマを扱っている作品なのだが、死や仲間について主張が為されているものの、少しさっぱりしすぎているようにも思った。大泉洋主演の北海道映画シリーズの前2作でも確かに主張は、さっぱりとしたものだった。情景と表情でシリアスな部分などを表現していくという部分も共通している。しかし、本作は、どこか北海道に頼りすぎてしまっているように思う。言い換えれば、主人公の感情を裏付ける材料が少なかったように個人的に思った。

ただ、前述の通り、景色の美しさに加え、仲間や家族、地域の人々との温かいやりとりなど、見ていて非常に和む作品となっている。そして、長い人生の中で、遠回り、寄り道をして人生を謳歌する。学びと言うよりも、何か希望を感じた。
無知A

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