メランクさん

来るのメランクさんのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
5.0
中島哲也監督作って「渇き。」以来だったのか。
しかもその前が「告白」なのか。
てかこの作品自体が18年?そんな前だった?

2作ともぜんぜん嫌いじゃないけれど、
なんかすっかり過去の人って感じだなぁと
序盤の感じを見てて思っちゃったね。
特にスローモーション女子高生描写とかね。
あと居酒屋の紫煙もくもくスローモーションもくどかったなぁ。
未だにこういう感じやっちゃいますかと思った。

そんでラップトップ開いてブログってのも
2018年でもすでに古い感じだったんじゃないかな。
あの文字入力の感じとかももともと中島哲也に感じてた新鮮さだったような気がします。

そういう癖が鼻につく上に、
序盤の妻夫木の態度の気持ち悪さ、
さらに胸糞実家描写に披露宴描写と、
なかなか見るのに耐え難いで出しではあったが、
今作はなかなか素晴らしい作品だったと思う。

「コクソン」や「貞子vs伽倻子」を想起させつつ、
ホラーを使いながらもテーマはものすごく誠実で、
かなり多くの人を射程にいれた内容だと感じた。

「奥さんと娘さんに優しくして」というマコトの忠告が全てであり、
「鏡=自省」と「刃物=痛み」こそ必要なのに、
それを避け続けた男の顛末と、
この社会きあって向き合うことの必要性を嫌でも感じる。

冒頭で書いた通りイライラする部分も多いけれど、
単純に見てておもしろかった。
やっぱ私は中島哲也は嫌いじゃないなぁ。