SPNminaco

ラスト・ムービースターのSPNminacoのレビュー・感想・評価

ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)
-
バート・レイノルズといえば、昔宣伝でよく見かけた「ドル箱スター」というキャッチフレーズが同時に浮かぶ。そんな言葉も今や死語。自身そのままに晩年の映画スターを演じたこの遺作は、思い出と優しく寄り添うトリビュート・ロードムービーだった。
老スターが今どきの若者と反発しながら人生を見つめ直す、展開自体はありがちだ。けど、とにかくレイノルズありき。実際の出演作やエピソードをなぞり、全盛期の本人と共演する趣向がたまらない。
胸毛口髭でギラギラしたマチズモの象徴だった往年の姿と、すっかり老いた、というか萎みきって枯れきった姿が同じフレームに並ぶ。やや残酷で自虐的ではあるが、ロマンもある。ほろ苦い過去への後悔と懺悔、天下のドル箱スターが「何を成し遂げたのか」から「自分は何者か」を辿る旅の説得力たるや。殆どドキュメンタリーかと思う。イーストウッドやニコルソン、デ・ニーロやアル・パチーノにはなれなかった…それを「選択ミス」とは思えないけど、言われてみれば確かに初めて伺い知る素顔があった。
久々見たチェビー・チェイスが思いの外お爺ちゃんになってたのもビックリ。
SPNminaco

SPNminaco