エイプリル

ヘレディタリー/継承のエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ホラーには「恐怖」「驚愕」「不快感」があると思うのですが、この映画は「不快感」を強く感じられる映画でした。頻繁に登場する虫やずっと背景音として流れている低音、得体の知れない気持ち悪い人など、映画視聴中にできるだけ不快感を与えられるように作られていると感じました。
その分、映画にもっと分かりやすい幽霊的な恐怖やびっくりシーンを求めている人には地味に感じられたかもしれません。個人的には案外不快感の強いホラー映画はあまりお見受けしないので楽しく見ることができました。
ただ、怖さの演出方法はほぼミッドサマーと同じなので、「また!?」みたいな感じは否めませんでした。
祖母の幽霊、チャーリーの死、カルトの誘い、母の狂気、パイモンとどんどん恐怖の源が変わっていくところが良かったです。通常ホラー映画では、色んな怖いシーンがあっても、その恐怖を与えてくれる原因は単一であることが多いのですが (呪怨の伽耶子など)、この映画はどんどんそれが変わっていくので非常に密度が濃くて良かったです。
だからこそ最後までどうなるのか分からないストーリーはとても魅力でした。祖母の幽霊がいるかもしれない、みたいなスタートで「ペイモン万歳!」で終わるとはまさか誰も思わないと思います。
個人的に一番好きなシーンは、アニーが娘の死体を車の中で見つけるところです。日常が一気に非日常になる様子も良かったですし、何よりアニー役の役者さんの叫び声が凄まじくて、そこだけ何回か見直しました。
単に怖いというだけではなくストーリーもしっかり面白いホラーは意外と少ないと思いますので、この作品はかなり誰にでもおすすめできると思いました。
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