がんさ

ヘレディタリー/継承のがんさのネタバレレビュー・内容・結末

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

一族に脈々と受け継がれてしまう?いや、おかしな思い込みについての話。怖い…

〜〜〜

たぶん本作は、家族の不慮の事故に始まり、絶望や重圧を受け入れられなかった人が、別のことわりを導いてしまう、ただただ悲劇の連鎖だ。

ちゃんと証拠だってある!怖い…

◆パイモン憑依の経緯は

もし自宅の屋根裏で自分を呪おうとする?異様な陣を見つけたとして、

その直後、見知らぬ素っ裸のおじさんおばさんに遭遇してしまったら、

※しかも微笑んで、こんにちは〜♪みたいな素振りをしてくる汗

わたしも唯一逃げられそうな窓から飛び出してしまうと思った。本気で!

あの方々は律儀に儀式を執り行っていたのだろうか??



お母さんは終盤、驚異的な身体能力を見せるけれど、本会場であるツリーハウスに飛んでいくのは、あくまで息子の主観だと思う。

だってすごい「悪魔」を宿したはずの彼は、健気に梯子を登っていくもの!

ただ彼の理性はとっくに限界だったから、彼ら裸の悪魔崇拝集団の中では「悪魔パイモン」になれたかも…

〜〜〜

◆誰の視点が強い描写か

スケッチブックに描かれる大量のお兄さんの顔…3人でコックリさんしている間に描かれることはなかった。



ご主人さんには、受け止める優しさだけでなく、最後まで抵抗してほしかった。多分お母さんにガソリンかけられて火だるまにされてしまったと思うけれど…

ちゃんと警察を呼んでいれば、ぐるんと反転してしまう前の世界に、何人かはとどまれたかも知れない。

〜〜〜

◆連想:家(一族、血)、模型、箱庭…

このお話冒頭から複雑な情報を伝えてきて、脳を混乱させるための下準備をしかけているのでは?と疑っている。

顔を見せる前から、誰が死んで、誰の誰と誰はもう死んでいて…それって誰?



本作の時間軸においては、事実が模型に即しているのでは決してなく!

模型は事実に即して作られている。終始因果の流れは変わっていない!

※個人的には、ジオラマはとっても好きでした。あのサイズでのディテール…テクスチャー…ため息w

ただ、家と模型に関する多くの表現が、話の不穏さを伴って脳を侵食してくる。

冒頭に映されるのは、窓に切り取られたツリーハウスから、模型が現実のシーンに置き換わり、また模型を作るお母さんは様々なシーン(模型のだよ!)を覗き込む…まさに全能なる神の視点…

私たちは、神(今回は悪魔?)に弄ばれる箱庭の中のお人形さんなのか!?

それでもわたしは、この考え方に断固反対する!w

だって劇中に起こることは、模型作りに比べると、すごーく遠回りで、全能感がないのだもの!

〜〜〜

◆悲しい家族のお話と見立ててみては

劇中何度か挿入された、スイッチ切替のように、瞬時に昼夜が変わる、非現実的なショット?がとても気持ち悪くて印象に残った。

あれは現実と妄想が入り乱れてしまった人の主観世界で時間が飛ぶように進む様を表現しているのでは?

見方によっては、本作の舞台の虚構性を象徴しているようにも受け取れなくはない!…厳しいかな…w

多分!もうヘレディタリーな継承は起きない。不安の種は無くなってしまったから…

〜〜〜

怖くてたまらないからwわたしの中ではこういうことにしました。異論は全て認めますw

※冒頭の授業でのヘラクレスの悲劇性の導入の下り、全て無視しておりますので悪しからず…w

軽いものを見ようとホラーを選んだのに大失敗…

〜〜〜

・怖さのピークは、おばあちゃんが嬉しそうに儀式的な何かをしている写真。

〜〜〜

ルック1.0あの一瞬で昼夜は、ハッとして、ゾッとした。
シナリオ0.5ミッドサマーの後に見てしまってインパクト半減…
役者1.0
深度0.5
がんさ

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