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ヘレディタリー/継承のiceblueのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.0
ふう~。大丈夫でした!(←何が?)
 
ちょっと置いてきぼりになったような感じでポカーンと…。でもじわじわとくる‘継承’というワード。そういう恐ろしさなのね。抗えない血の呪い。
 
最初の葬儀から感じる違和感。あの弔辞。そして笑顔のおじさん。あの人誰っ?とその時はこちらもわからない。
 
闇の気配、ミニチュア作品、祖母の関わり、家族間の暗い影など気になる視点がたくさん。不穏で不気味な雰囲気にひきこまれる。そしてあの惨劇。何という恐ろしい描き方…
トニ・コレットの演技が凄まじい。彼女の精神状態をどう捉えるのかという演出が上手くて、『黄色い壁紙』(シャーロット・パーキンズ・ギルマン作)という、当初出版を拒否された曰く付きの小説を思い出しました。あのゾッとする戦慄の短編小説(ホラーではありません)を読んだ時のような…。まったく救いようのない厭な後味。
 
過去の名作がいくつもよぎり、すごくよく出来てる映画なのでは…と少し経ってから思いました。見逃した伏線が色々ありそう。
あの妹のオカルト的な存在感は、当分忘れられないインパクト!
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