ぎしき

ヘレディタリー/継承のぎしきのネタバレレビュー・内容・結末

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

初視聴。悪魔・パイモンの情報は予習済み。

レビュー
系統としては心霊・オカルトの類だがどちらかというと怖いのは人間かもしれない。
序盤から伏線が散りばめられており、最終的にはひとつに纏まるストーリーは見所しかない。初長編監督作品とは思えない出来。激推し。


以下考察
パイモンについての情報
火を司る西の王であり序列9番目の高位の悪魔。女の顔に男の体をもつ。人に知識・地位を与え、死者を操る力をもつ。「チリンチリン」という擬音を示すヘブライ語"POMN"が名の由来ではないかと言われている。

パイモン召喚について
グラハム家はパイモン召喚の犠牲になることは確定していた。
序盤の発言で「アニーの兄は『エレンが僕の中に何かを入れようとした』と言って自殺した」「ピーターの代わりにチャーリーをエレンに差し出したらエレンはチャーリーに『男になれ』と何度も言った」等から分かるようにエレンはパイモンを崇拝しており、肉親を利用して召喚をなそうとしていた。
兄の中に入れようとしたモノはパイモン。
劇中の描写から、パイモンの召喚には女性の頭部の贄と男性の身体(依り代)が必要。チャーリーは電柱に頭を飛ばされ、アニーは鋸で首を切り、エレンの墓から頭部以下の遺体が持ち運ばれている。
兄を依り代にしようとして失敗し、ピーターが標的になった。パイモンをピーターに召喚するにあたり、ピーターの人格が邪魔になるのでジョーンはあの手この手で(主に呪術)ピーターを衰弱させ、パイモンの召喚に成功する。ラストシーンで鈴がうるさく鳴っていたのはパイモンの語源によるものと思われる。
題名のHereditary(遺伝的な)からあるように悪魔の依り代体質はエレンの家系特有のものでスティーブは依り代になり得なかった。

舌を鳴らす「コッ」という音
パイモンが宿ってからピーターは「コッ」と鳴らす。チャーリーも最初から「コッ」と鳴らすことが多かった。つまり物語の始まった時点でチャーリーの中にはパイモンがいた。だが依り代が女性なので意味がなかった。チャーリーの死後ピーターの周りで「コッ」と聞こえるようになったのはパイモンが近くにいたということだろう。
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