keita

5時から7時までのクレオのkeitaのレビュー・感想・評価

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
4.0
ゲリラ撮影を利用して、歩行者に主人公やカメラに目線を求めることで、テーマとなる「見る、見られる」の関係を表現しているのがすごいと思った。

主人公は「見られる」職業である歌手。そんな彼女が検査結果待ちの2時間の多くの人との交流を通じて、「見られる」ことがどうでも良くなり「見る」という主体的な行為へと目を向けるようになる。この大きな転換点が、鏡が割れるシーン。それ以前は、裸を見られるヌードモデルの友人の考えを理解できずにいたりと「見られる」ことに非常に敏感になっている。しかし、それ以後は、陽気な軍人と出会い、彼の目を見続ける。

この「見る、見られる」は「愛する、愛される」の関係のメタファーで、「愛される」ことを求めていた主人公は最後に「愛せる」ようになったと感じた。
keita

keita