keita

ペパーミント・キャンディーのkeitaのレビュー・感想・評価

4.5
イ・チャンドン監督、3作目。

過去を時系列順に振り返るという演出はよくあるが、過去を現在からひとつずつ遡る演出は初めてで新鮮だった。

一本のレール上を逆再生で走る列車が、不可逆的な人生のモチーフとして最適に思える。

オープンショットの小さな光に向かってトンネル内を走るシーンが、人生のほとんどが闇でラストの若いときだけが光という物語全体の構成と合致している。

ラストシーン、冒頭シーンに繋げるショットで、これから何が起こるか全て知っている見ている側は辛い。

初恋の相手を、なぜそれほどまでに愛しているのか、後に語られると思っていたが、きれいに期待を裏切られた。

単なるメロドラマにはせず、その当時の韓国の1人の青年の人生を残酷に描いていた。
keita

keita