さよこ

パッドマン 5億人の女性を救った男のさよこのレビュー・感想・評価

3.5
【サクセスストーリーとして観たい映画】

主人公は"妻のために"生理用ナプキンの開発に取り組む話なんだけど……うーーーーん、あたしも未だに生理に纏わる話は男性とするのに抵抗あるし(←「生理痛がひどいから会社休みます」が言えない人)、ましてやインドの田舎なら白い目で見られること間違い無しだろうな、村人は至って普通の感覚の持ち主だろうと思う。

なんていうか…もっとうまいことコミュニケーション出来ないですか??と主人公にヤキモキした。初潮を迎えた少女に夜中にナプキン渡す、てどう考えても正気じゃないし、村八分にされても仕方ないような…。

この映画を"一途な男の感動ストーリー"として観るんじゃなくて"無知から頑張り億万長者になったサクセスストーリー"だと思って観ると、とても良くできた話だと思う。

最後のスピーチで「女性コミュニティ」について語っているシーンはとても感動した。

彼が育ってきた村社会では、月経中の女性は不浄なものとされて家族から隔離されて生活するような文化が当たり前で、女性の社会進出なんてものは夢のまた夢で、そういう文化の中で彼がどうやって「女性たちの制限された世界」に違和感を覚えたのか。その辺の気付きのプロセスをもっと知りたいと思った。

女性の中にも「この制限が当たり前」だと思って、無自覚に諦めているのに、諦めない彼にはどんなきっかけがあったのか。とても興味深いと思った。

*

アジア・アフリカの農村部などでは、生理期間の女性は料理を作れない/他の人に触れることができないなどのタブーや、ひどい場合は山奥に隔離されるという慣習がある地域もあるらしい。

そういう医学的、科学的に何の意味もない慣習がこういう映画を通じてどんどんなくなれば良いと思った。

今回の映画を観て、女性器を切除する割礼を描いた『デザート・フラワー』を思い出した。実在するモデルの半生を描いた作品です。ご興味あればぜひどうぞ。
https://filmarks.com/movies/21210
さよこ

さよこ