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The Psychopath(原題)
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『The Psychopath(原題)』に投稿された感想・評価

3.7
フランシス製『サイコ』!

弦楽四重奏のメンバーたちが1人ずつ殺される事件が発生!彼らは連合国側の戦後委員会のメンバーで、非人道的な行いをしたドイツ人たちの財産を没収していた。夫の財産を彼らに没収され、そのために夫が自殺に追いやられた過去を持つ老婆が捜査線上に浮上するが、彼女は車椅子生活を送っていた…。

昨日に続いて今日は英製ジャーロ👍
アカデミー撮影監督のフレディフランシスがハマーフィルムの「ミニ・ヒッチコック」シリーズの後にアミカスに移って撮った作品。脚本は同じくアミカスにいたロバートブロック(『サイコ』の原作者)によるオリジナル。

老婆の家は後の『マニアック』を思わせるような人形だらけのイカレた魔窟のような場所…😱流石に人皮を被せるような露骨なことはなく、全部メルヘンな人形で、まるで自分の子どものように話し掛けてる。子どもいないのかな?それか昔に亡くした?とか思ってたら普通に息子さん登場するの笑う!老婆の頭の中では息子さんと人形たちは兄妹なのかな…😅

そしてこの人形が本作の重要アイテム!犯人は被害者とそっくりな人形を犯行現場に残していく。しかもナイフで殺したらナイフを刺すとか、殺害方法とリンクさせた処置を施して。

殺害に至るシークエンスはカメラワーク含めて凄まじいクオリティで、車で何度も轢き殺す残虐性を写見としての人形によって表現し、左右のパンの中で情報同士の相互連関を高めていくのは流石のフランシス!ガスバーナー顔面噴射を真正面から捉えつつ薄らと見える犯人の顔等々めちゃくちゃ上手い!

ただ脚本面が…。ロバートブロックの脚本は、ミルトンサボツキーに自身の短編を魔改造された『がい骨』への腹いせなのか、『サイコ』をパク…セルフオマージュした微妙な脚本であったためにフランシスはかなり苦労したみたい。

実際に見る機会があったのは定かではないながらもバーヴァ『モデル連続殺人』と類似点が多い。また、フランシスが語っているところによると、本作の素晴らしい殺人シークエンスは短すぎる脚本の穴埋めのために考案したものらしい。

ジャーロが69年の『歓びの毒牙』によってイタリア国外で人気を博したことを考えると、まだ確立されていなかったジャーロ的手法が同時多発的にイタリアとイギリスで起こっているのは面白いなと思った。バーヴァもポンコツ脚本を自身の演出によって傑作に仕上げてきたように、そういったところがジャーロ(バーヴァ前のものは除く)やスラッシャーの発生起源なのかも?
邦題「サイコパス」。「サイコ」(1959)の原作者ロバート・ブロックが脚本を務めた耽美スリラー。監督は「エレファント・マン」(1980)などの名撮影監督フレディ・フランシス。英アミカスプロの知られざる傑作。

1960年代ロンドンで殺人事件発生。遺体の傍らには被害者そっくりの人形が置かれていた。捜査を開始したホロウェイ警部は被害者の音楽仲間サヴィルが経営する人形工房を訪ね、娘のルイーズから人形コレクターのドイツ未亡人イルザの噂を聴く。彼女は息子マークと二人暮らし、車椅子生活を送っており床一面に沢山の人形を並べて夫を失った寂しさを紛らわしていた。かつて一家は裕福だったが、夫はナチス戦争犯罪人との告発により全財産を押収されて自殺した。そして事件の被害者は、夫を陰謀で貶め財産を手に入れた英国戦後委員会のひとりだった。そんな矢先、人形工房のサヴィルが毒殺される。傍らにはまたも彼そっくりの人形が置かれていた。。。

オープニングの人形モンタージュからラストシーンまで最高に好みの一本だった。赤い部屋いっぱいに人形が並べられたロケーションが素晴らしい。他にも、鉄くずを使った前衛アートのアトリエ、クライマックスのボート工場など退廃的だが品の良い美術が楽しい。マクガフィンとなる人形も意味と映像的アクセントを兼ね備えて秀逸だった。

容疑者は前半から的が絞られるためミステリーとして観るべきではない。動機の部分でロバート・ブロックらしいサイコ感が発揮される。ひとひねりした結末へと畳みかけていく映像演出の盛り上げ方も見事。最後の逃走で整然と並べられた人形を蹴散らす演出にはカタルシスが感じられ、行き届いたキメ細かさに感心。同時代イタリアのジャッロ映画の特徴を取り入れつつ、残虐表現を避けた演出に英国ならではの気品が感じられた。

英ハマープロのスリラー「Never Take Sweets from a Stranger」(1960)を観て撮影監督フレディ・フランシスを再発見し、そこから辿り着いた本作。思いがけない拾いもので、個人的偏愛映画の一本になった。


※音楽は女性で初めて劇場映画劇伴を手掛けた作曲家“ホラーの女王”ことアグネス・エリザベス・ラッチェンス。

※撮影はフランシス監督の常連ジョン・ウィルコックス