MasaichiYaguchi

サーホーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

サーホー(2019年製作の映画)
3.9
タイトルの「サーホー」は「万歳」を意味するが、近未来の架空の都市を舞台に、肉弾戦や銃撃戦、カーアクションやスカイアクションがパワフルに炸裂し、インド映画らしい情熱的なダンスや歌によるミュージカルシーンもあり、二転三転するストーリーが驚天動地の結末に向かって疾走したりして、本作は正に「サーホーワールド(万歳世界)」全開という感じだ。
主演は「バーフバリ」シリーズのプラバースなのだが、今回も熱量の高い主人公をマッチョに演じている。
この作品では、大規模な窃盗事件の捜査、巨大な裏組織が隠し持つ闇金庫、その金庫の鍵となる“ブラックボックス”を巡る争奪戦が入り組んだ形で繰り広げられる。
主人公は特命捜査官として美人すぎる相棒アリムタ・ナイルと盗難事件を捜査していく中で闇金庫の存在に辿り着くのだが、そこから裏組織との熾烈な戦いが幕を開ける。
このところハリウッド作品を中心にアクション物がどんどん派手にスケールアップしているように思うが、このインド映画もハリウッド物に負けない規模とスケールで描かれ、更には「アイアイマン」を彷彿させるようなシーンまで登場する。
本作はクライムアクション物なので「全員悪人」とまではいかないとしても、主要な強面悪党キャラクターたちによるサバイバルをかけた戦いが本作の魅力であり、様々な伏線が回収され、「サーホー」が「万歳」だけでなく、真に意味するものが何なのかが分かる終盤こそが山場だと思う。
インドをはじめ全世界でヒットした本作は、意味有り気なラストといい、続編が製作されそうな気がするが、もしそうであるならば更なるパワーアップ、スケールアップを期待したい!