【或るソ連作家の数日間】
ドヴラートフというソ連作家のことは、この映画を見るまで名前も知りませんでした。
本作は1971年における彼の数日間を映し出しています。
ブレジネフ時代のソ連。
ここでドヴラートフはジャーナリストの仕事をしている。
社会主義国家の検閲を通るためには、そういう書き方をしないといけないのですが、彼にはそういう器用な書き方がどうしてもできない。
なので、いつも記事はボツにされています。
他にも、作家協会に入るために有力作家とコネを作ろうとして努力したり、別れた妻と暮らしている娘にプレゼントをするための金策を友人に頼んだり、その友人はフィンランドからの密輸品で稼ごうとして当局に捕ってしまったり・・・と色々なエピソードが出てきます。
でも、無名作家の行動を見ていても、あまり面白く感じられないというのが正直なところ。
ドヴラートフは結局ソ連では作家としてまともに活動できず、70年代末に西側に亡命し、80年代になってから米国で作家として認められることになる、ようですね。
そうは言っても、繰り返しますけどこちらは名前も知らなかったわけで、そういう作家の日常を描いても・・・という気持ちになるのは致し方のないところ。
もう少しいい素材、なかったんですかね。