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希望の灯りのkaoruiのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
4.5
若手監督というだけでハードルが下がるんだけど、こりゃすごい。こういう作品に出会えた時、映画ファンで良かったと心から思う。
夜のスーパーを小宇宙に見立て、フォークリフトが2001年宇宙の旅のスペースポッドのように厳かに移動する。
ハイウェイを走る長距離トラックのワンカットでドイツ再統合の影で泣いた人々の哀しみを描写する。時代に置き去りにされ忘れ去られた人たち。
こいつ絶対途中で店長殴って辞めてまう奴やろ感満載の主人公。ハードコアな連れの元に帰って、あーこいつもうダメだ、っと思ったけど、二日酔いでも通ってくる。スーパーマーケットの小宇宙に自分の再生をかける。単調に繰り返される日々の中に希望の灯火がある。頼りなく見えるけど決して消えることはない。時代に取り残されようとしている人たちが彼の中に燃え続ける小さな灯りに託すのだ。お前は大丈夫。

息子と家内と三人で観た。
観終わってどこか引き締まったように見える息子の顔が頼もしく見えた。
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