元アウトローの青年クリスティアンがドイツ郊外の大型スーパーで同部署の先輩ブルーノを始め個性豊かな従業員と共に働く様を描いた群像劇。
片隅の何でもない普通の人々を描きながらも世界中の同じ境遇の人に確かに届く開いた作品になってる。ある面でこれもワーキングプアの現実かも。
従業員一人一人に対する描写が丁寧で好感が持てるし、見終わると間違いなくキャラクター皆がいとおしくなる。
静かに話は進むものちょっとしたことでくすっとしたり突然の展開に心揺さぶられたり。逆にクリスティアンの恋愛関係は彼の女性に対しての行動が幼くて響かなかった。
クリスマス前後の時期を描いているので年の瀬の忙しない時期に見るとちょうど良さそう。
以前スーパーの閉店後に棚卸しや陳列のアルバイトをしていた頃、誰もいない店内に響く「ブーン…」といった電源の音とか誰もいない店内の妙にソワソワしていた過去の景色が急によみがえった。
エンドロールを眺めながら良い二時間だったなとしみじみ思うと共に、タイトルの"希望の灯り"を思い起こして涙を浮かべる。