カイ

ウトヤ島、7月22日のカイのネタバレレビュー・内容・結末

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

2011年、ウトヤ島で72分続いた無差別銃撃をワンカットで撮る。映画はカヤの視点に寄り添う様に進み、そして当然の如く、映画のクロージングはカヤの死に終わる。逃げ惑う人々は戦えない。圧倒的な武力による攻撃に対処する術はない。襲撃者はその日の為に用意するもので、一方被害者は今までの日常が戻ってくることを願う。カメラはテロリストを映さない。それだけの価値は無い。この映画が映すのは、一人の女性の、家族への愛であり、思いやりであり、夢である。カヤは実在しないと同時に、その時に島にいた人々の器である。死にたくない。家族に、友達に無事でいてほしい。そして生きていく夢がある。例え場違いであっても、それを語ることに何の謂れもない。今ある普通の幸せを噛み締めるのではなく、幸せを破壊しにきた者の矮小さを突き付けること。お前の顔など知らない。けれど"カヤ"の勇気は語り継がれていく
カイ

カイ