久遠藍

ウトヤ島、7月22日の久遠藍のネタバレレビュー・内容・結末

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

星をつけられるような作品ではないなと思う。
理性的なようで自分本位な人、痛いと訴えて同情を買おうとする人、パニック気味にまくし立てて何かしたがる人、動きたがらない人、誰かを責めないと平静を保てない人。平和だった日常が突如ぶち壊されたこと見せる反応が様々だった。
このパニックがたった一人によって引き起こされたことが信じられない。
ミストのことをちょっと思い出した。
追い詰められると人は合理的でなくても何か行動したがってしまう、まさにそれだった。
妹を助けたいと言いながらあちこちで正義感を出して母親に助けを求めてパニックになる姿に無性にイライラさせられた。
妹探さないといけない場面で見知らぬ他人の最期を看取るのは、優先順位がめちゃくちゃでもどかしい。でも実際に追い詰められたらそんなもんだよな。
実際の時間の経過を思えば退屈でも仕方ないけど、映画として見るなら本当に退屈。記録として誰かが回しているのか、カヤの視点なのかはっきりしないアングルがたまに気持ち悪くもある。
でもそうやってさっきまで思考して怯え逃げ惑う人達が一瞬で死にゆく現実が確かにあったのだ。
それは忘れてはいけない。
そういう映画なのだ。
久遠藍

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