じょうパン

ウトヤ島、7月22日のじょうパンのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
3.6
面白いとか面白くないとか、そういう話の作品じゃないと思いました。この悲劇があったという事実を世界中の人に映画という1コンテンツを通して伝えるのは反感を買う意見もあるとは思いますが、自分は大事だと思いました。

作品の内容は胸糞映画でした。
作品自体の長さは90分ぐらいですが、色んな意味で長く感じました。実際は72分も銃声が響いたと言われていますが、映像として90分間観ていても地獄なのに実際に体験していた人の気持ちを考えるととても辛いです。
映像に表れていなくても怖いと感じたのは音の影響でした。ウトヤ島は小さい島だと出てきた人物たちは語っていて、どれくらいなのか調べた所10.6ヘクタールで東京ドーム2つ分というとても小さな場所だということが分かりました。だからこそ逃げ場がなく、音が反響して四方八方から銃声が聞こえるという、犯人が見えていなくても恐怖感がありました。
映画的に良かった部分は、ワンカット風なのかワンカットなのか分かりませんが、ワンカット風であってもずっと緊迫するカメラワークで良かったです。また脚本でマヤが逃げろと言った黄色の服を着た男の子が亡くなって、逆に黄色の服を着た妹が生き残って、最後の最後で自分は死んでしまうというのは、なんとなくマヤは亡くなるのかなと予想はできましたが、胸糞感があり映画としてみるのなら良い展開だと思いました。(亡くなるのが良いということではないです)

ただ疑問だったのは警察が着くのが遅すぎるのと、マヤのお母さんは警察とかに連絡したのか、海岸でマグナスと再開した時にいた女の子が「ずっとあのボートは止まったまま」と言ったボートはなぜ止まったままだったのか、最後ボートで助けてくれた女性は誰だったのか、この4つが疑問に残りました。

庁舎含め77人(ウトヤ島では69人)の方が亡くなられたにも関わらず、犯人は死刑にならずいまだ刑務所で生きていると考えると、あんまりだなと思いました。

亡くなられた77人の方にご冥福をお祈りします。
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