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母さんがどんなに僕を嫌いでものmiのレビュー・感想・評価

3.9
舞台挨拶付き完成披露試写会を。
コミカルかつ時系列を交互に使うことで内容自体が重くなり過ぎないようにしてありましたが、実際は痛く苦しい作品でした。
羊さんが演じた主人公の母親は、どこから切り取っても理解し難い人物で、対する主人公のタイジは優しくて愛が溢れていて、それが逆に痛く、その無償の愛が私には到底理解出来ませんでした。だから帰り道もずーっと疑問が残り、悶々としながらカレーを食べて帰りました(笑)

それとは別で。
この日の試写会は特別な一日となりました。
舞台上での監督の熱いコメントと、涙ながらに語る羊さんの思い。その思いが私の心をぐっと掴んで離しませんでした。作品を見る前の舞台挨拶だったのに、試写会を終えて帰る私達へ監督自ら階段にてお見送り。一人一人に挨拶をされていました。
作者の歌川たいじさん。
この方も実は会場にお見えになっていました。これまた初めての経験です。開場待ちをして並ぶ私達の元にお見えになり、1人1人ご挨拶をして下さいました。試写会のエンドロールが終わり、会館が明るくなると、私達と一緒に鑑賞されていた歌川氏に向かい、私達は自然とスタンディングオベーションで拍手を向けていました。

彼は痛みを知っています。1人で生きてゆく辛さも知っているからこそ、人に優しくなれるし、誰かに寄り添える温かさも人一倍大切にしている。作品を観て私はそう思いました。だからこそ胸に響くし、彼と出会った多くの人を動かす力も持ち合わせている。今日起こった出来事を象徴するような作品に思えてなりませんでした。
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