すず

母さんがどんなに僕を嫌いでものすずのレビュー・感想・評価

3.0
レビュー上げ忘れてた(笑)
当時のままアップします。

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太賀に主演男優賞を!

このレビューを書くには少しのネタバレをしないわけにいかない。だけど、今この作品に興味ない人でも読んで欲しいので、敢えてネタバレボタンはしません。

















【太賀の新たな一面】
太賀が出ている映画は最近沢山あるけど、コメディが多くて面白い人くらいにしか思ってなかった。

この作品観て、太賀が好きになりました。作り笑いの顔、泣いた顔、心から笑った顔。いつもと違った顔が見れて、そのどれもが目が離せなかった。

【気付いた方が動け】
虐待を受けた子供が親を憎む気持ちも、それでも愛されたいと思う気持ちも、どちらの気持ちも少なからずわかる。人間関係、知ってて何もしなかったら、何も変わらない。気付いた方が行動しないと始まらない。[ワンダー 君は太陽]でもあったけど、相手に変化を求めるのではなく、<自分>が変わればいい。

【気付いた気持ち】
虐待を受けた子供皆がみんな、こんな風に前向きになれたり、関係が修復出来たりする訳じゃない。憎むのも距離をおくのも間違ってない。答えは1つじゃないから。

虐待を受けた子供が親を憎む気持ち
それでも愛されたいと思う気持ち
そしてタイトルでもある

「母さんがどんなに僕を嫌いでも」



この子はもう1度お母さんと向き合う覚悟を決めた。その子にとっては正解だったかもしれないけど、それを決めるのはその子であって私たちじゃない。だからそれが正解とは言わない。あくまで1例なんだ。

【支えその1:おばあちゃん】
この子は1人じゃないから強くなれたんだと思う。小さい頃からおばあちゃんは"味方"でいてくれた。そもそもこの子は何も悪いことしてないから、"見守ってくれていた"の方が合っている。

この子は親にブタ呼ばわりされ、自分を卑下する癖がついている。おばあちゃんが言わせた「僕はブタじゃない…僕はブタじゃない!」この台詞で涙腺が凄いことに。文字にすると笑ってしまいそうな台詞も、小さい頃のエピソードを見てきた者にとっては、そうだよ…そうだよ…って言ってやりたい。そしてもっと早く言わせてあげたかった。書きながらまた泣けてきた…ここは名シーンだった。

【支えその2:友達】
お母さんと向き合うのは怖くて、怖くて足がすくみそうだけど、それを支えてくれたのは友達の存在だ。

作り笑いを見破り、ずかずかと心に土足で入り込んでくるキミツさん(森崎ウィン)。この人が軽いし口は悪いけど、友達思いの良い人で、タイジさん(太賀)の仮面を剥がしてくれる訳ですよ。怖じ気づいた時、凹んだ時、いつも見計らったかのように登場してタイジさんの気持ちを和らげてくれる。

カナちゃんとその恋人もありのままのタイジさんを受け入れてくれて、だからタイジさんも裸の付き合いを許せたのだと思う。

友達ができて良かったね。自分でいられる居場所を見つけられて良かったね。

【好きになれないお母さん】
お母さんの生い立ちに同情の余地はあるけど、それでも全然共感できない。吉田羊さんはこの役と向き合うの大変だったと思う。だってお母さんの気持ちを理解できないから。

【総評】
重いテーマなのに結構笑える場面もあって、でも、やっぱり涙の洪水でした。後半が駆け足なのと呆気ないのがイマイチだけど、実話だから仕方ないですね。太賀が好きになれたこと、これからも追いかけたくなったので観てよかったです。

歌川タイジさんがこれからも笑っていられますように
すず

すず