紅孔雀

チャーチル ノルマンディーの決断の紅孔雀のレビュー・感想・評価

4.9
G.オールドマン版と違って、戦闘場面が一切ないチャーチル映画。
まぁそんなに予算が無かったためかもしれませんが、実は、けっこうスリリングな戦闘シーンがあります。それはチャーチルと婦人の夫婦喧嘩(!)であります。若者を死地に追いやった良心の呵責から怒鳴り散らすチャーチル。一方、戦時中自分を全く顧みない夫に愛想を尽かすクレミー婦人。壮絶な心理バトルの果てに、婦人の「どこかが他人なの」という氷のような言葉がチャーチルの心を凍らせます。
そして最後の海岸のシーン。チャーチルが「私を捨てても責めはしない」と悔悛の言葉を述べた後のクレミーの返事が、私の心に深く刺さりました(この“キーワード”はネタバレに)。まさに夫婦間の真実を抉った一節で、この場面だけでも本作はオールドマン版を超え、いやさらに多くの夫婦モノ映画を超えた傑作だと思いました❗️
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