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家へ帰ろうのSのネタバレレビュー・内容・結末

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アルゼンチンではたくさんの家族に囲まれて幸せだと周りに見られたいお爺さんは、実際は家族の決断で老人ホームに入れられ、脚を切断されそうだという現実から逃れ、自分が最後に果たしたい約束のために、足を引き摺りながらポーランドへ向かう。ユダヤ人特有のネットワーク、ウィットを感じる会話や行動、宿屋のカッコいい女性との交流、喧嘩別れした娘との再会、心から憎むドイツ人との関わり、当時の記憶。最後はとてもあたたかいシーンで終わるのでホッとしたけれど、辛すぎる記憶をもつ方々が世界にはたくさんいることを思い出させてくれた。

私がイスラエルで会った80代の裕福な女性は、イギリス統治下のイスラエルに生まれた。世界対戦中、まだ若かったロシア人の祖父がイスラエルへ行こうというムーブメントにのり、イスラエルへ移住したところから始まったらしい。その方に、戦時中の日本軍のことを非難された時には複雑な気持ちだったし、私にはなにができるのかと考えた。テルアビブのおしゃれな文具屋で働く20代の女の子は、イスラエルのイメージが悪いのがつらいので、そのイメージを払拭して、世界中の人にテルアビブに遊びに来てもらいたいと話していた。そのことを思い出した。
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