渡辺静

博士と狂人の渡辺静のレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
3.3
貧しい生まれで学士号を持たない異端の学者マレーと、精神を病んだアメリカ人の元軍医で殺人犯のマイナー。
二人は辞典作りという壮大な計画を通して出会い、固い絆で結ばれていく……

初版の発行まで70年を費やした「オックスフォード英語大辞典」誕生秘話。

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辞書作りの映画といえば「舟を編む」を思い出す。
「言葉の海」という表現が両作ともに出てきた。
連綿と続いてきた人間の営みのなかで生まれた膨大な「言葉」を本にまとめようという仕事は、まさに海を洗面器で一杯ずつすくい上げるかのような、気が遠くなる作業だったんだろう。

「舟を編む」に比べて、よくいえば観客に媚びてなく、重厚な作り。
だけど、悪くいえば、舟を編むのほうが、キャッチーで、楽しみどころがハッキリしていた。

実話ベースなので仕方ないかもだが、大きなドラマはなく、正直ちょっと中だるみしてしまった。

メルギブソンとショーンペンという、名優の演技は目を見張るものがあった。

でも好きなキャラは、看守マンシー役のエディ・マーサンで、こういう、看守と囚人の間に生まれる絆、みたいなのグッときちゃいます。
渡辺静

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