ヨシダ

博士と狂人のヨシダのネタバレレビュー・内容・結末

博士と狂人(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

SNS公式アカウントが出来たばかりの頃から楽しみにしていた作品。なんだけども想像とは大分違っていた。

英国版「舟を編む」と評されているのも見かけたけれど、個人的にはかなり異なる印象でした。

「舟を編む」は言葉の海を渡る苦労や喜びを、編纂者の目線を通して瑞々しく描いた爽やかな作品でしたが、本作はタイトル通り狂気に満ちている。ショーン・ペンの狂いっぷりは素晴らしかったけど、それに比べると辞書編纂のシーンはあんまり深みが感じられない…ひたすら用例を苦労して探してるだけ、という印象。言葉そのものに対する考察とかはないんだなぁ。精神病院でのグロなシーンの方がよほど詳しく描かれていて辛かった…

話は逸れるけど、オックスフォードの教授連中が英語を世界最高の『陛下の言葉』だと偉そうに話すくだりを観ていたら、英国に語学留学した時の先生を思い出した。先生は英語しか話せなかったけれど、他言語を母語とする留学生達に「私は英語が話せる。だから他の言語を学ぶ必要はない」と宣って見下していた。19世期から進歩してない人だったんだな…とか思ったりしながら観た。
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