このレビューはネタバレを含みます
2021/7/12視聴。
広告を観て面白そうだなと思い映画館へ。
この映画は触れ込みにあるとおり、見せ方にまず拘っている。全編モノクロで、画面もほぼ真四角なアスペクト比なのだ。
こんな窮屈で色味のない画面で人が狂っていく様を見せつけられるのだからこちらも狂いそうになる。
ただ、定期的に鳴るサイレン、過酷な灯台守の仕事、難癖を付けるベテラン灯台守…と陰鬱さを表現するには十分な環境なのだが、これを白黒で走り切ることでなんだか鮮やかささえ伝わってくる。白黒だったっけ、とか思う。
内容としては方々の絵画や神話をモチーフにしている部分も多く、予備知識がないと「何今の?」ってなるところも確かにある。俺もそうだった。
しかし、今作はオチがどうとかそういう映画ではないと思った。
話が進むにつれ誰が正しいのかもよく分からなくなり、モノクロの狂気に飲まれて終わる。そんな不気味さを2時間掛けて味わう映画だ。