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ライトハウスのlaBamba01のレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.2
絶海の孤島から離れていく船の霧笛か、どこか狂気じみたインダストリアルな音が鳴り響く冒頭から映画の世界に引き込まれる。
あの音は、越えてはならない境界を越えた警笛の様にも聞こえるし、後戻りできない異界の装置が起動した音にも思えて。実に印象的。

ほぼ1:1のフレーミングはけっして窮屈なだけのものではなく、1800年代の見た目ともとれるアプローチ。
モノクロームならではの画面・色彩設計も見事。

違和感から恐怖、やがて狂気へと展開していく主人公の内面描写は、夢や妄想の形をとりながら、時に滑稽なサイレント映画的なユーモアさえ感じさせる。一筋縄ではいかないストーリーテリング。

ウィレム・デフォーの目ヂカラ、瞬きさえも抑制した演技力の高さに刮目した。

個人的には監督の前作『ウィッチ』よりも周到で芳醇な時間を感じることが出来た。
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