少年への鎮魂歌
実話に基づく映画と知り、ネットであれこれ調べました。マフィア撲滅を目指したファルコーネ裁判官を爆殺したマフィアの大物トト・リイナが、警察に寝返った配下の息子の誘拐、監禁、殺害を獄中から命じ云々とある。1996年なんてそう遠い昔ではなく、警察や政治家と癒着していたマフィアのドンを投獄するほど世論も変わっていたのに、なぜ罪もない少年を救い出すことが出来なかったのか。ショックでしばらく
熟睡できませんでした。
主人公のルナとジュセッペの絡みは非常に短く、映画の後半は想い人である少年を救い出そうとするルナの妄想が展開され、観る者も翻弄されます。
この映画は、幼くして理不尽に惨殺された少年への鎮魂歌と感じました。彼を救うことが出来なかった生き残りの我々は、彼の生涯が昇華された作品を通じて、記憶に刻むことしか出来ないのです。
余談ですが、リイナの財産は国によって凍結されたらしく、その子供らは生活保護を申請したりしているそうです。パリに｢コルレオーネ｣というレストランを開いた娘もいるとか。ふざけんなよと思いました。
2021/4/24 21:10
