このレビューはネタバレを含みます
https://youtu.be/EUQL4NmuY5I
YouTube考察動画
とても深みのある映画でした。
ちょっと心の持ちようをどこに置いたらいいか分からなくなりました。
とても寓話的で、心をぎゅうと鷲掴みされるような物語でした。
そして、シチリアの風景をとても卓越したカメラワークで映し出している。
視点がほぼルナとなっていて、ジュゼッペのモデルになった少年の話にするのではなく、彼女の話に仕上げているのが素晴らしい。
これは彼のためではなく、残された人々、つまり我々も含めた遺族を救う映画。
この2人は次元のようなものを超えて通じ会えた。…かのように、描写してある。
それは彼、彼女が望んだように、見ている我々も望んだこと。
人は誰でも悲しい思いを背負っている。どんな形の死であれ、残されたものの思いは昇華しきれない。
だから監督は、あえてせめてもの救いを、世界に与えてくれたのだ。
とても綺麗な愛という形で。
そして見た人は皆こう思ったであろう、
その人たちが彼が少しでも救われることを望むと。
✱「ラブリーボーン」も同じ系譜と言えるのではないかと思う。
